家族や親戚が亡くなったあとに行うのが遺品整理です。
遺品整理には形見分けをしたり部屋の清掃をしたりといった作業が含まれており、親族同士で協力して取り組む必要があります。
しかし、相続や清掃にかかった費用などの点でトラブルになることも珍しくなく、ついつい先延ばしにしてしまっている方も多いのではないでしょうか。
ここでは、遺品整理の際に多いトラブル事例と、遺品整理業者を利用する際のポイントについて解説しています。
トラブルにならないための方法も紹介しているので、遺品整理・生前整理の問題でお悩みの方はぜひ参考にしてみてくださいね。
注意!遺品整理で起こりがちなトラブルを解説
大量のゴミが残されている場合や遠方に住んでいる場合など、自力で遺品整理を完了させることが難しいケースもありますよね。
そんなときは遺品整理を専門に行っている業者の利用がおすすめですが、悪質な業者に引っかかってしまうと思わぬトラブルに巻き込まれることも。
まずは、遺品整理業者との間に起こりやすいトラブル事例と注意点について詳しく見ていきましょう。
高額請求トラブル
遺品整理業者の中には、相場を大幅に上回る高額な費用を請求してくるところがあります。
遺品整理は頻繫に行うものではないため相場を知らない方も多く、言われるがまま料金を払ってしまう事例が多いです。
また見積もりの時点では他社より安い料金だったにもかかわらず、後から理由を付けて高額な追加費用を請求されるトラブルもあります。
遺品整理業者を利用する際は必ず複数社で見積もりをとって相場を把握し、当日追加費用がかからないことを確認してから依頼しましょう。
不法投棄トラブル
高額請求を行うぼったくり業者とは反対に、激安価格で遺品整理を行う業者にも注意が必要です。
激安価格の遺品整理業者は、回収した不用品を違法に廃棄している可能性があるからです。
不法投棄が見つかった場合、遺品整理業者ではなく投棄された荷物の持ち主が罪に問われる可能性があります。
誤って違法業者を利用してしまった場合でもトラブルを解決できるよう、必ず業者の連絡先や所在地を控えておきましょう。
名刺や領収書を受け取っておくこともおすすめします。
遺品処分トラブル
遺品整理の知識や資格を持たないスタッフに作業を任せてしまうと、本来必要だったものまで処分されてしまう可能性があります。
資産となる貴金属や通帳・印鑑などもまとめて捨てられたという事例も少なくないため、大切なものは先に回収しておくのも1つの方法です。
また価値のある品物を業者に盗まれるという事例も起きています。
このようなトラブルを避けるために、作業前と作業後の写真を撮影してチェックするといった方法がおすすめです。
遺品整理を業者に依頼する場合は、必ず専門の資格を持ったスタッフが在籍しているところを選ぶようにしましょう。
買取トラブル
遺品の中には貴金属やブランド品など、買い取ってもらえる可能性のある品物が混ざっていることがあります。
形見として残すものを除き、遺品整理業者に相談して査定後に買取をお願いすることができます。
このとき、悪質業者を利用していると本来よりも低い価格での買取を強要される可能性があります。
買取後に高値で売却して利益を得ることが目的なので、査定価格があまりに安い場合は他の業者に相談した方が良いでしょう。
業者だけでなく親族と揉めるケースにも注意
遺品整理業者を利用した場合のトラブル事例を紹介しましたが、自力で遺品整理を行う場合でもトラブルが起こる可能性があります。
続いて、親族間で起こりやすいトラブル事例と注意点について詳しく見ていきましょう。
遺品の盗難トラブル
遺品整理における親族間のトラブルで最も多いのが相続に関する部分です。
他の人よりも先に故人の家や部屋に入った場合、現金や価値のある品物を盗んだのではないかと疑われるケースがあります。
実際は何も盗んでいないとしても、一度もめると長期的なトラブルに発展してしまうかもしれません。
全員が揃った状態で片付けるのが良いですが、難しい場合はあらかじめ親族の許可を得てから片付けを始めるようにしましょう。
遺品整理の費用トラブル
自力で遺品整理を行う場合、ゴミの処分や各種サービスの解約など様々な作業を行わなければいけません。
中には費用がかかるものもあるため、どの手続きにいくらの費用がかかったのかを記録しておく必要があります。
領収書が保管されていないと、実際の費用よりも高く言っているのではないかと疑われてしまい、費用分担の際にトラブルとなりやすいです。
遺品整理の分担トラブル
実家が遠方にある場合や仕事が忙しく時間がとれない場合、なかなか遺品整理に協力することができませんよね。
結果、実家の近くに住んでいる方や時間のある方に作業を丸投げし、あとからもめてしまったという事例は多いです。
自分たちで遺品整理を行う際は、誰がどの範囲の作業を行うのかといった役割分担をきちんと決めておく必要があるでしょう。
特に賃貸などは引き渡しまで期間がないことも多いため、後回しにせず協力しながらコツコツ作業することをおすすめします。
トラブルを防ぐために事前にとっておくべき対策
遺品整理の際は、事前に親族間で話し合いを行うことでトラブルの防止につながります。
ここからは、遺品整理でトラブルにならないための方法について詳しく見ていきましょう。
遺品整理の方法を相談する
遺品整理を始めてから不満が出てくることがないよう、あらかじめ分担や相続について取り決めを行う必要があります。
遺言書がある場合は記載されている内容に従いますが、用意されていない場合は自分たちで相談することが大切です。
遺品整理の際に取り決めるべき主なポイントは以下の通り。
- 相続の割合
- 遺品整理の期間と作業分担
- 作業にかかった費用の精算方法
相続する財産は現金とは限らず、土地や建物となる場合もあります。
あとから言った言わないのトラブルにならないために、権利書の引き渡しや相続の内訳をきちんと記録しておきましょう。
遺品整理業者を活用する
自分たちで遺品整理を進めることが難しいと判断した場合は、プロの遺品整理業者に依頼するのがおすすめ。
作業費用はかかりますが、自力で進めるよりもスムーズに遺品整理を行うことができ、親族間でもめる可能性も少なくなるでしょう。
ただし、遺品整理業者を利用する際は優良業者と悪質業者を見極めることが大切になります。
トラブルなく遺品整理を終えるためにも、遺品整理の業者選びは慎重に行うようにしましょう。
優良な遺品整理・片付け業者を見極めるポイント
最後に、優良な遺品整理業者を見極めるためにチェックするべきポイントを解説していきます。
これから業者への依頼を予定している方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
無料見積もりを行う
一般的に、遺品整理業者では訪問による無料見積もりを行っています。
訪問せず電話だけで見積もりを出す業者の場合、あとから作業量が増えたなどと言って追加費用を請求してくる可能性が高いでしょう。
また訪問見積もりを有料としている業者も避けた方が安心です。
必ず無料の訪問見積もりを行い、かつ複数社で見積もりをとることをおすすめします。
相場よりも高すぎる・安すぎる業者は利用しないようにしましょう。
遺品整理士が在籍している
遺品整理には、「遺品整理士」という専門の資格が存在します。
より丁寧で適切な作業をお願いするためにも、遺品整理士の在籍している業者を選ぶのがおすすめ。
この他、不用品の回収・処分に必要な一般廃棄物収集運搬業の許可証や買取に必要な古物商許可証を持っているかどうかも確認しましょう。
資格を持たない業者は不法投棄などを行う可能性が高いので利用しないよう注意してください。
会社情報が明記されている
運営会社の情報や所在地がホームページにきちんと記載されていることをチェックしましょう。
情報が不明瞭の業者は、トラブルが起きた場合に音信不通になってしまう可能性があります。
連絡先をメモなどに控えておくこともおすすめします。
遺品整理を依頼する際のトラブルと対策例まとめ
遺品整理は体力的にも精神的にも負担の大きな作業です。
自力で作業する場合は必ず親族間で相談し、トラブルに発展しないようお互いに協力しながら進めることが大切です。
また費用面で余裕がある場合は、遺品整理業者に任せてしまうのも良いでしょう。
口コミやホームページの情報をしっかりと比較して、自分たちの希望に沿う遺品整理業者を見つけてみてくださいね。