「引越しで整理をするから無料の不用品回収業者を利用しよう」
「余計な料金を払いたくないから出張無料の不用品回収業者が知りたい」
このように考えている人は、注意が必要です。無料の不用品回収業者の中には、無料と謳っているのに料金を請求したり、詐欺まがいの買取を実施したりする業者が多くいます。
無料の不用品回収業者を利用する前に、そもそもなぜ無料で不用品回収処分をしてくれるのか、本当に利用して大丈夫なのかをよく考えることが大切です。
今回は、処分料金が無料の不用品回収業者の危険性について解説します。自治体と不用品回収業者の料金相場の違いや優良な不用品回収業者を選ぶコツも合わせてチェックしていきましょう。
この記事は、次のような人におすすめです。
- 無料の不用品回収の利用を検討中の人
- できるだけ無料で家電を処理したい人
- 不用品回収業者を選ぶポイントが知りたい人
不用品の回収は基本的に有料!料金相場を解説
廃品・不用品回収処分は、基本的に無料で利用できません。家庭から出る常識レベルの生活ゴミを回収してもらうのに料金はかかりませんが、大きな家具や家電などの粗大ごみは処分料金が発生します。
また、冷蔵庫やテレビ、パソコンなどの4品目家電を廃品・不用品回収で処分してもらうには、リサイクル料金が必要になります。
比較的新しい家電を廃品・不用品回収してもらう場合は、リサイクルショップなどで持ち込みをすると引き取りに対応してもらえることがあります。場合によっては、無料どころか家電を買い取ってくれることも。
しかし、それ以外のケースは無料で廃品・不用品回収に応じてもらえることはありません。したがって、無料で不用品回収処分をすると謳っている業者は「怪しい」と疑った方がいいでしょう。
自治体の料金相場
廃品・不要回収業者よりも安い料金で不要品を処分できるのが自治体のゴミ回収です。
自治体によって不用品回収にかかる料金が異なるので、今回は東京都町田市と愛媛県松山市の場合を紹介します。
東京都町田市
東京都町田市の場合、廃品・不用品回収に出すゴミの品目別に処分手数料が決められています。
品目が非常に細かく分けられているので、抜粋して紹介します。
廃品・不用品回収の品目 | 処分手数料 |
---|---|
ソファー(1人用) | 400円 |
電動式ベッド | 3,200円 |
ベッドマット (スプリングのないもの) |
400円 |
布団 | 400円(3枚ごと) |
指定の処分手数料分の粗大ゴミ処理券を購入して、廃品・不用品回収に出すゴミに張り付けて自治体のゴミ回収処分日に出すという流れです。
町田市内にあるリサイクルセンターに直接ゴミの持ち込みをした場合は、粗大ゴミ処理券を購入する必要がありません。ただし、処分料金は無料ではなく、ゴミの重さ10キログラムごとに250円の処分手数料がかかります。
いずれにしても、町田市で粗大ゴミを処分する場合はどこかで料金を払う必要があることが分かります。
愛媛県松山市
愛媛県松山市の場合は、特定の家電や消火器、小型充充電式電池などを除く家庭用ごみを無料で収集してもらえます。
ただし、事前に指定のハガキで廃品・不用品回収の申し込みが必要です。
また、自治体のゴミ回収を利用せずに、指定場所にゴミの持ち込みをして不用品回収処分をしてもらう方法もあります。
松山市内にあるリサイクルセンターに直接ゴミの持ち込みをした場合は、廃品・不用品回収の対象物の重さによって指定の処分手数料を支払う必要があります。
廃品・不用品回収の 対象物の重さ |
処分手数料 |
---|---|
30kg以下 | 無料 |
30kg超40kg以下 | 680円 |
40kg超 | 680円+170円 (10kg単位で加算) |
松山市の場合は、条件を満たせばリサイクルセンターに持ち込みをすると無料で不用品回収をしてもらえます。
廃品・不用品回収業者の料金相場
自分で家から不要な家具や家電を出せない場合や引越しなどでゴミを処理する時間がない場合は、廃品・不用品回収業者を利用する処分方法が便利です。
廃品・不用品回収業者と自治体の処分料金の比較を表にまとめたので、チェックしてみましょう。
廃品・不用品回収 品目 |
不用品回収業者の 料金相場 |
自治体の料金相場 (東京都町田市) |
---|---|---|
ソファー | 3,150円~ | 400円~1,200円 |
テーブル | 2,000円~ | 400円~800円 |
ベッド | 3,675円~ | 400円~1,200円 |
自治体の料金相場の例として、東京都町田市を参考に表を作成しています。
不用品回収業者はスピーディにゴミを処分してくれる魅力がありますが、自治体の料金相場よりも高いことが分かります。
表のデータから、無料で不用品回収処分にあたる業者への不信感を抱く人も多くいるでしょう。
無料の廃品・不用品回収業者には注意が必要
冒頭で触れた通り、無料で廃品・不用品回収をする業者には注意が必要です。
なぜなら、無料で冷蔵庫などの家電やソファーなどの家具の回収をする業者は、非常に高い確率で法律違反をしている可能性があるからです。
廃品・不用品回収をするためには、一般廃棄物処理業の許可を受けている必要があります。しかし、無料で廃品・不用品回収をする業者の中には、自治体に無許可で営業しているところがあるのです。
無許可の業者に家電(パソコン、洗濯機など)や粗大ごみ(ソファー、自転車など)に引き渡しをすると、ごみを適正に処理した確認が取れなくなります。
拡張機で「無料で不要品回収します」と町中を回る軽トラックを見かけたことがある人もいるでしょう。
こうした不用品回収業者は回収した廃品や不用品を不法投棄したり、無料と偽って高額な料金を請求してきたりする可能性があるので注意が必要です。
その他、次のような方法で無料の廃品・不用品回収をうたう業者も違法営業をしている可能性があります。
- 頻繁にチラシ広告を配布
- 空き地で無料回収を実施
- ネットで無料回収広告を掲示
利用者が「無料で不用品回収をする業者=怪しい」という意識を持つことが大切です。
できるだけ費用を抑えて粗大ゴミを処分するコツ
家電や家具などの粗大ごみの回収費用をできるだけ安くしたいなら、買取に対応している不用品回収業者を選ぶMことをおすすめします。
廃品・不用品回収に出すゴミの内容によっては、回収費用が無料になったり、回収費用よりも売却料金の方が高額になったりすることもあります。
少しでも高く買取りしてもらうためのコツは、次の通りです。
- 比較的新しい家電を不用品回収に出す
- 需要が高いものを不用品回収に出す
- 付属品や説明書を用意しておく
- 複数のものをまとめて不用品回収に出す
不用品回収にかかる料金を無料に近づけるためにも、家の中で不要なものを探してみることをおすすめします。
優良な不用品回収業者を見分ける方法
無料で廃品・不用品回収サービスをする業者には注意が必要だと説明しましたが、優良な業者を見分けるポイントをチェックすることも大切です。
- 宣伝文句をよく聞く
- 不用品回収業者の所在地をチェックする
- 一般廃棄物収集運搬許可の有無を確かめる
- 料金が無料か有料で判断する
不要品回収業者を選ぶときは、処分料金だけでなく口コミや評判を確認したうえで優良な業者を選びましょう。
業者とのトラブル事例とリスクを回避する対処法
無料で不用品回収をする業者との間にトラブルが起きる事例の原因は、金銭関係のものが多いです。具体的な事例で言えば、無料と言っていたのに料金を請求されるトラブルがよく起きています。
ただし、中には不用品回収業者に騙されているのではなく、利用者の勘違いだった事例もあります。したがって、無料の不用品回収業者を利用しようとする人もトラブルを防止する対処法を押さえておくことが大切です。
誰でもすぐに実践できる無料の不用品回収業者とトラブルを起こさない予防方法は、次の5つです。
- 家電リサイクル法について理解する
- 見積もりを出してもらう
- 納得できない場合は断る
- 口コミや評判をチェックする
- 消費者センターに連絡する
家電リサイクル法について理解する
家電リサイクル法とは、先に説明した家電4品目を廃品・不用品回収に出した場合まだ使える材料や部分を再利用することで、資源の有効活用をするために施行された法律のこと。
したがって、エアコンや冷蔵庫などを不用品回収に出す場合、所定のリサイクル料金を支払う必要があります。家電4品目は法律によってリサイクルが義務付けられているので、無料で廃棄はできません。
無料で不用品回収をすると謳っている業者とトラブルにならないためにも、家電リサイクル法が適用される家電4品目だけは覚えておくといいでしょう。
4品目家電を廃品・不用品回収に出すためには、収集・運搬料金とリサイクル料金の支払いが必要です。4品目家電とは、次の家電のことを言います。
- エアコン
- テレビ(ブラウン管、液晶・プラズマ)
- 洗濯機・衣類乾燥機
- 冷蔵庫・冷凍庫
収集・運搬料金は小売業者によって違いますが、リサイクル料金は廃品・不用品回収に出す家電のメーカーによって一律料金が決められています。
経済産業省によると平成29年4月1日現在の家電ごとのリサイクル料金は、次の表の通りです。
エアコン | 972円~ |
---|---|
洗濯機・衣類乾燥機 | 2,484円~ |
冷蔵庫・冷凍庫 | ・170L以下:3,672円~ ・171L:4,644円 |
テレビ | ・ブラウン管(15型以下) :1,296円~ ・ブラウン管(16型以上) :2,376円~ |
見積もりを出してもらう
引越しなどで部屋の整理を急いでいる場合は難しいかもしれませんが、不用品回収業者にきちんと見積もりを出してもらいましょう。
無料で回収すると言った業者でも、見積もりを作ってもらうといろいろな料金を請求されることがあります。
概算料金をまったく教えてくれない不用品回収業者は、違法営業をしている可能性が高いので利用を避けてください。
また、他の不用品回収業者に依頼すれば、無料回収ではなく買取回収をしてくれる場合もあります。時間に余裕があるなら、複数の不用品回収で見積もりを出してもらうことをおすすめします。
納得できない場合は断る
不用品回収に請求された料金や回収内容に納得できない場合は、勇気をもって断りましょう。利用者に正当な理由があれば、不用品回収業者のサービスを断っても問題ありません。
ただし、正確なゴミの量を不用品回収業者に伝えていないと、見積もり時に無料でも有料になることがあります。
無料の不用品回収業者でも、依頼時よりもゴミが増えていれば当然料金が高くなるので回収サービスを断るときは気を付けてください。
口コミや評判をチェックする
無料の不用品回収業者の利用を検討している場合はすぐに依頼するのではなく、ネットなどで口コミや評判をチェックしましょう。
過去に無料か否かでトラブルになった情報や違法回収をされた口コミが見つかるかもしれません。
無料の不用品回収業者とトラブルが起きてから対処にあたると、手間がかかります。できるだけ早い段階でリスクに適切な対応方法を取ることが大切です。
消費者センターに連絡する
無料、有料に限らず、不用品回収業者とトラブルが起きた場合は、消費者センターに相談しましょう。専門の相談員が公正な立場でトラブルの処理にあたってくれます。
消費者センターの連絡先は利用者の居住地によって異なりますが、局番なしで「188」に電話をすると近隣の消費生活相談窓口を案内してもらえます。
「188」に連絡しても繋がらない場合は、「03-3446-1623」に電話をしてください。平日の10時~12時、13時~16時であれば無料の不用品回収業者とのトラブルなどの相談にあたってもらえます。
まとめ:無料に騙されずきちんとした業者を選ぼう
廃品・不用品回収を無料でする業者は違法営業をしている可能性があるので、注意が必要です。
「ゴミの処理にあまりお金をかけたくない」という気持ちは分かりますが、「無料」という言葉に騙されないでください。
今回紹介した内容を参考に、無料で押し売りをする不用品回収業者ではなく、優良な業者を選ぶようにしましょう。
こちらのページで、不用品回収にかかる一般的な費用相場や、回収費用を安く抑えるコツを解説しています。
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