親族が亡くなった場合は、故人の遺品整理をする必要があります。しかし、自ら遺品整理をしなければいけないような近親者が亡くなる回数は、それほど多くありません。そのため、遺品整理の流れや時期をきちんと把握できてない人もいるでしょう。
そこで今回は、故人が亡くなったときに必要になる遺品整理の時期について、詳しく解説します。遺品整理を始めるのにおすすめのタイミングや片付けの手順を併せてチェックしていきましょう。
この記事は、次のような人におすすめの内容です。
- 遺品整理の時期を決めるタイミングが分からない人
- 遺品整理の適切な時期が分からない人
- 遺品整理の流れやコツが知りたい人
一体いつから?遺品整理を始める時期
故人の遺品整理や部屋の片付けを始める時期には、正解がありません。遺品整理作業にかける時間や日数は決められていないため、親族が時期を見て始めることになります。
とは言え、「みんないつから遺品整理を始めるのか気になる」「具体例として遺品整理を始める時期を知りたい」という人もいるでしょう。そこで今回は、遺品整理を始めるおすすめの時期を4つ紹介します。
具体的には次の通りです。
- 故人の四十九日
- 各届け出の完了後
- 葬儀が反応した直後
- 税金の申告期限前
以上の4つのタイミングを遺品整理の開始時期としておすすめする理由を解説していきます。
おすすめ時期①故人の四十九日
四十九日は故人にとってはもちろん、親族にとっても一つの区切りになるタイミングです。親族が亡くなってからある程度の時間が経過しているため、気持ちが落ち着く人が増えてくる時期です。また、親族が実家などに集まる機会でもあります。
そのため、四十九日の時期に遺品整理を開始する人もいます。
ちなみに、先に少し触れた形見分けは四十九日に実施することが多いです。「一般的な時期に形見分けをしないなんて」と親族間でトラブルが起こらないように十分注意しましょう。
早めに故人の遺品整理をしたい場合や親族が集まる機会がなかなかない場合は、四十九日の時期から遺品整理を開始するのがおすすめです。
おすすめ時期②各届け出の完了後
親族が亡くなった場合は、役所や銀行、保険会社、各サービス会社などで死亡に関する手続きをしなければいけません。死亡届を出したり、利用者の名義変更をしたりなど普段はしない手続きをどんどんこなす必要があります。
各所での届け出が完了すると、ひと段落して精神的にも余裕を感じられることが多いです。そのため、この時期から遺品整理を開始するのもおすすめです。
おすすめ時期③葬儀が完了した直後
お葬式が終わった時期から、故人の遺品整理を開始する人もいます。
特に故人が生前にアパートやマンションの賃貸契約を結んでいた場合は、この時期から遺品整理を始めるのをおすすめします。なぜなら、賃貸契約の中には居住者が死亡した場合、14日以内に退去するというルールが設定されていることがあるからです。
仕事で忙しいかもしれませんが、この場合は急いで遺品整理をする必要があるので注意が必要です。
おすすめ時期④相続税の申告期限前
故人の遺産を相続する場合は、期限内に相続税の申告をしなければいけません。相続税の期限は、親族が死亡してから10か月以内です。この期限に間に合うなら、いつ遺品整理をしても問題ありません。
親族での話し合いがなかなか進まない場合でも、相続税の申告を過ぎてしまうと罰則を受ける可能性があるので注意が必要です。「10か月もあるからまだ遺品整理をしなくていい」と考えるのではなく、できるだけ早くから作業開始することをおすすめします。
遺品整理の開始時期は親族で決める
税金の申告期限に余裕がある場合は、親族で話し合って遺品整理を始める時期を検討することになります。
今回は遺品整理を開始する時期を話し合うのにおすすめのタイミングを2つ紹介します。「遺品整理の時期をいつにするか決められていない」「親族での話し合いが進まない」という人は、ぜひ参考にしてください。
- 親族の気持ちが落ち着いたとき
- 四十九日など親族が集まったとき
遺品整理を開始する時期を自分一人で決めると、親族間で大きなトラブルに発展する可能性があります。親族の中にまだ気持ちの整理がついていない人がいるなら、その人に足並みを揃えるのもひとつの方法です。
故人の遺品を相続する親族が多いと、なかなか話がまとまらず大変かもしれません。根気よく話し合いを重ねて、遺品整理を始める時期を決めていきましょう。
親族で作業する場合の片付け手順
親族で故人の遺品整理をする場合は、次の手順で片付けを進めるのが一般的です。
- 故人の遺品を仕分けする
- 貴重品を保管する
- 不用品を廃棄する
遺品整理を始める時期が決まったら、上記の流れに沿って素早く作業を開始することをおすすめします。なぜなら、個人の荷物や遺品は家族が想定している以上に多いことがあるからです。
親族で故人の遺品整理をする場合の具体的なポイントを順番にチェックしていきましょう。
手順①故人の遺品を仕分けする
まずは、故人の遺品を「必要なもの」と「不要なもの」の2つに分けます。必要なものの具体例としては、写真などの思い出の品や貴重品です。もらい手がないものやあると困るものは、この時点で不要なものに仕分けをしましょう。
後から遺品が出てくると面倒なことになるので、タンスの中や家具・家電の裏まで徹底的に相続品がないか探すことがポイントです。
なお、故人が生前に遺言状を作成していて遺品について記載がある場合は、それに従う必要があります。後ほど親族で故人の形見分けをするときも遺言状の内容に沿って進めなければいけないので、覚えておきましょう。
手順②貴重品を保管する
故人の部屋を掃除しながらものの仕分けができたら、貴重品をしっかり確保していきます。
故人の相続手続きでは、以下の貴重品が手続きに必要になるので早めに見つけ出しておくのがポイントです。
- 現金
- 預金通帳
- 印鑑
- 本人確認書類
- 生命保険書類 など
故人によっては、預金通帳や印鑑をたくさん持っている場合もあります。「2~3個見つかったし大丈夫」と安心するのではなく、必ず漏れがないように回収することが大切です・
手順③不用品を廃棄する
遺品整理の最初の作業で不用品に仕分けたものを順番に処分していきます。
ゴミとして廃棄する場合は、故人が住んでいた自治体のルールに沿って捨てるようにしましょう。一度に大量のゴミを出すと、近隣住民とトラブルになる可能性もあります。
ゴミが多い場合は複数回に分けて捨てたり、回収センターに持参したりなどの工夫が必要でしょう。
不用品の中にまだ使えそうなものがある場合は、リサイクルショップなどで回収してもらうと便利です。比較的新しい家具や家電がたくさんあるなら、不用品回収業者に直接引き取りに来てもらうのも一つの方法です。
遺品整理業者に丸ごと依頼する方法もある
遺品整理作業を進められる親族が少ない場合、遺品整理を始める時期が遅くて急いで作業をしなければいけない場合は、遺品整理を専門にするプロの業者に依頼する方法があります。
プロに依頼するメリット
遺品整理士という資格を持った業者に作業を依頼すれば、次のようなメリットがあります。
- 急ぎの遺品整理もすぐに終わる
- 遺品整理先が遠方でも代わりに作業をしてもらえる
- 遺品整理時の間違いを心配しなくていい
- 相続に必要なものを綺麗にまとめてもらえる
プロに依頼するデメリット
一方、遺品整理業者に依頼すると次のようなデメリットがあるので注意しましょう。
- 親族で作業するよりもお金がかかる
- 作業を依頼する業者を見極める手間がかかる
- 第三者の介入で親族間でトラブルが発生することがある
遺品整理業者の費用相場
遺品整理業者を利用する場合に気になるのは、料金相場でしょう。結論から言えば、業者に遺品整理を依頼した場合にかかる費用は、業者の料金プランによって異なります。
そこで今回は、あくまでも相場として遺品整理をする部屋の大きさを元に業者の費用相場を紹介します。
部屋の大きさ | 費用相場 |
---|---|
1K | 約4万円 |
1LDK | 約10万円 |
2DK | 約13万円 |
3DK | 約20万円 |
遺品整理にかかる具体的な料金が知りたい場合は、業者に見積もりを出してもらうことをおすすめします。遺品整理業者の中には無料で見積もりを出してくれるところもあります。ネットの人気ランキングや口コミなどを参考に、依頼先を検討してみてください。
まとめ
故人の遺品整理を開始する時期は、明確に決められていません。そのため、作業を進める親族がベストなタイミングを見極める必要があります。
親族だけでも遺品整理を進められますが、作業に慣れていない人がほとんどなのでなかなかスムーズに進まないことが予想されます。できるだけ手間を省いて遺品整理をしたい場合や税金の申告期限が迫っている場合は、遺品整理の専門業者に依頼するのも一つの方法です。
遺品整理業者に依頼するとその分お金がかかりますが、慣れない作業に頭を悩ます必要がありません。必要なものと不要なものの仕分けを誤る心配もないので、形見分けも安心です。
今回紹介した内容を参考に、親族にとってベストな遺品整理の時期を考えてみましょう。場合に応じて、遺品整理業者の利用も併せて検討してみてください。